ABOUT本展について
陶芸、染織、漆芸、金工、木竹工、人形、諸工芸といった伝統工芸の多様な分野から、重要無形文化財保持者(いわゆる人間国宝)と、次世代につなぐ工芸技術を保持する作家の作品計16点を展示。
無形文化財として歴史上又は芸術上価値の高い「わざ」と、そこに内包されたメッセージを伝えます。
開催概要
展覧会名 | 令和5年度文化庁首都圏伝統工芸技術作品展等開催事業 「技を極める——伝統工芸が伝えるメッセージ」 |
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会 期 | 2024年3月20日(水・祝)-24日(日) 会期中無休 |
開館時間 | 10:00−18:00(最終入場 17:30まで) |
会 場 | 旧近衛師団司令部庁舎 東京都千代田区北の丸公園1-1 ACCESS |
観覧料 | 無料 |
主 催 | 読売新聞社 |
協 力 | 公益社団法人日本工芸会 |
お問い合わせ | 03-5226-9941 平日10時~17時 |
EVENTイベント
出品作家によるトークイベントや重要無形文化財保持者(いわゆる人間国宝)の技術を記録した映像の上映などを開催します。
重要無形文化財保持者(いわゆる人間国宝)トークセッション
DATE
3月23日 (土) 14:00-15:30
PLACE
展覧会の展示室内
定員
50名(先着順)
SPEAKERS
室瀬 和美
重要無形文化財「蒔絵」(各個認定)保持者
十四代 今泉 今右衛門
重要無形文化財「色絵磁器」(各個認定)保持者
本イベントは定員に達したため、
申し込み受付を終了いたしました
伝統工芸作家トークセッションvol.1
DATE
3月20日 (水・祝) 14:30-16:00
PLACE
展覧会の展示室内
定員
50名(先着順)
SPEAKERS
望月 集
陶芸
浅井 康宏
漆芸
本イベントは定員に達したため、
申し込み受付を終了いたしました
伝統工芸作家トークセッションvol.2
DATE
3月24日 (日) 14:30-16:00
PLACE
展覧会の展示室内
定員
50名(先着順)
SPEAKERS
四代 田辺 竹雲斎
木竹工
中村 弘峰
人形
本イベントは定員に達したため、
申し込み受付を終了いたしました
監修者ギャラリートーク
DATE
3月20日 (水・祝) 13:30-14:00
3月24日 (日) 13:30-14:00
PLACE
展覧会の展示室内
定員
各回15名(先着順)
SPEAKERS
松原 龍一
美術史家
元京都国立近代美術館副館長
本イベントは定員に達したため、
申し込み受付を終了いたしました
工芸技術記録映画(文化庁企画)の上映
重要無形文化財保持者(いわゆる人間国宝)の技術を記録した映像を上映します。
- ・「蒔絵-松田権六のわざ-」(漆芸/蒔絵/昭和46年度)
- ・「友禅-森口邦彦のわざ-」(染織/友禅/平成23年度)
- ・「木工芸-須田賢司のわざ-」(木竹工/木工芸/平成30・令和元年度)
EXHIBITION作品・作家紹介
陶芸は、大きく分けて土ものの陶器と陶石を砕いて土のようにした磁土を用いた磁器に分けられます。それらは様々な素材や技法の組み合わせで呼ばれ、白瓷(磁) 、青瓷(磁)、色絵磁器、鉄釉陶器などで呼ばれる他、産地や地域の名称などでも呼ばれます。例えば、有田焼、伊万里焼、備前焼、丹波焼、九谷焼、京焼、益子焼などがあります。
いずれにしても土や磁土を轆轤や手捏、型成形などで形を作り、そこに装飾を施したり釉薬を掛けたりして焼成することが陶芸の基本です。
色絵薄墨墨
はじき
雪文鉢
十四代
今泉
今右衛門
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色絵薄墨墨
はじき
雪文鉢
十四代
今泉
今右衛門
重要無形文化財「色絵磁器」(各個認定)保持者。佐賀県出身。
墨で抜き文様を施す技法「墨はじき」を効果的に応用し、現代的な色鍋島の世界を表現する。
ARTIST PROFILE
1962 | 佐賀県有田町に生まれる |
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1985 | 武蔵野美術大学 工芸工業デザイン学科(金工専攻)卒業 |
1988 | 京都で鈴木治先生に師事 |
1990 | 有田で父・十三代 今泉今右衛門のもと家業に従事 |
1998 | 第45回日本伝統工芸展「日本工芸会会長賞」受賞 |
2002 | 十四代 今泉今右衛門を襲名 色鍋島今右衛門技術保存会会長 |
2004 | 第51回日本伝統工芸展「東京都知事賞」受賞 |
2008 | MOA岡田茂吉賞 工芸部門「優秀賞」受賞 |
2009 | 紫綬褒章受章 |
2014 | 重要無形文化財「色絵磁器」の保持者に認定 |
2017 | フランス・バカラ社との共同制作「Baccarat meets IMAEMON」を発表 「今右衛門の色鍋島」展(山口県萩美術館・浦上記念館ほか) |
2018 | 日仏交流「ジャポニスムの150年」展 招待出品(パリ装飾美術館、フランス) |
2020 | 特別展「工藝2020 自然と美のかたち」招待出品(東京国立博物館表慶館) |
2021 | 「未来へつなぐ陶芸 伝統工芸のチカラ」展 招待出品(パナソニック汐留美術館ほか) |
2023 | 日本陶磁協会賞「金賞」受賞 |
パブリックコレクション
文化庁 / 東京国立近代美術館 / 兵庫陶芸美術館 / 佐賀県立吸収陶磁文化館 / MOA美術館 / 薬師寺 / 大英博物館(イギリス) / オークランド博物館(ニュージーランド) ほか
白瓷捻面取壺
前田
昭博
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白瓷捻面取壺
前田
昭博
重要無形文化財「白磁」(各個認定)保持者。鳥取県出身。
ねじれ状の凹凸や面取りによる直線などで変化を付けた簡素な造形で、独自の
白瓷
を追及する。
ARTIST PROFILE
1954 | 鳥取県に生まれる |
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1977 | 大阪芸術大学 工芸学科 陶芸専攻卒業 |
1991 | 第11回日本陶芸展「毎日新聞社賞」受賞 |
1994 | 第37回日本工芸会中国支部展「金重陶陽賞」受賞 |
1997 | 第10回MOA岡田茂吉賞展「優秀賞」受賞 |
1999 | 「日本の工芸<今>100選」展 招待出品(パリ三越、フランス) 鳥取市文化賞受賞 |
2003 | 20回記念田部美術館大賞「茶の湯の造形展」大賞受賞 |
2004 | 2003年度 日本陶磁協会賞受賞 第61回中国文化賞受賞 |
2007 | 紫綬褒章受章 |
2010 | 鳥取県文化功労賞受賞 |
2013 | 重要無形文化財「白磁」の保持者に認定 |
2020 | 2019年度 日本陶磁協会賞「金賞」受賞 |
2021 | 特集陳列「人間国宝 前田昭博白瓷展」(MOA美術館) |
パブリックコレクション
宮内庁 / 文化庁 / 国際交流基金 / 東京国立近代美術館 / 鳥取県立博物館 / 茨城県陶芸美術館 / 岐阜県現代陶芸美術館 / MOA美術館 / 田部美術館 / 薬師寺 / 大阪芸術大学 / フィラデルフィア美術館(アメリカ) / インディアナポリス美術館(アメリカ) / 大英博物館(イギリス) ほか
花文大鉢
「椿」
望月
集
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花文大鉢
「椿」
望月
集
東京都出身。
独自に様々な原料や技法を学び、赤や金などの色と艶の無い白い地肌の組み合わせで、
花や海など自然から着想した模様を巧みに表現する。
ARTIST PROFILE
1960 | 東京都に生まれる |
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1984 | 東京藝術大学 美術学部 工芸科(陶芸専攻)卒業 東京・中野に陶芸工房「一閑」設立、築窯 |
1986 | 東京藝術大学大学院 美術研究科(陶芸専攻)修了 |
1994 | 独立 陶芸工房「一閑」にて作陶活動 |
2000 | 静岡・伊豆高原に第二工房設立 築窯 |
2010 | 伝統工芸陶芸部会展優秀賞「日本工芸会賞」受賞(15、18年にも) |
2014 | 陶美展「奨励賞」受賞(15年にも) |
2019 | 第66回日本伝統工芸展「日本工芸会総裁賞」受賞 |
2021 | 「未来へつなぐ陶芸 伝統工芸のチカラ」展 招待出品(パナソニック汐留美術館ほか) |
2022 | 陶美展「優秀賞」受賞 |
パブリックコレクション
宮内庁 / 兵庫陶芸美術館 / 九州産業大学 / 国際交流基金 / ミュージアム・オブ・アーツ・アンド・デザイン(アメリカ) ほか
青瓷
花器
津金
日人夢
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青瓷
花器
津金
日人夢
熊本県出身。
青瓷
は青みがかった緑の美しい釉薬が特徴。中国・北宋の
汝窯
などの色合いを研究し、独自の表現を追求する。
ARTIST PROFILE
1973 | 熊本県に生まれる |
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1993 | 佐賀県立有田窯業大学校ロクロ科修了 熊本に戻り作陶を始める |
2003 | 中国・汝窯など宋代の古窯踏査 |
2004 | くらしの工芸展「グランプリ熊本日日新聞社賞」受賞 |
2009 | 「工芸のいま—伝統と創造」展出品(九州国立博物館) |
2010 | 第45回西部伝統工芸展「日本工芸会賞」受賞(以後9回受賞) |
2011 | 中国・南宋官窯、修内寺窯など視察 |
2014 | 「青磁のいま―受け継がれた技と美 南宋から現代まで」展 出品(東京国立近代美術館工芸館ほか) |
2020 | 国立工芸館石川移転開館記念プロジェクトにて作家12人に選抜 「青か白か-青磁×白磁×青白磁」展(茨城陶芸美術館) |
2021 | 第9回菊池ビエンナーレ「奨励賞」受賞 |
2022 | 「未来へつなぐ陶芸 伝統工芸のチカラ」展(パナソニック汐留美術館ほか) |
パブリックコレクション
宮内庁 / 国立工芸館 ほか
染織は、染めと織りの二つの技法を合わせた言葉です。一般に染織というと染めも織りも一緒に考えられていますが、染めと織りでは技法に大きな違いがあります。染めの技法は染料や顔料を用いて制作するため化学的要素が強く、織りは経糸と緯糸の組合せで制作するため数学的要素が強いです。織りも糸染めということでは化学的要素も含みますが、制作には 経糸と緯糸の組合せで模様や紋様を作り出すので数学的要素が重要です。
染織も陶芸と同様に素材や技法の組合せや産地、地域の名称で呼ばれます。例えば、友禅、経錦、紋紗、紬織、木版摺更紗、琉球紅型、越後上布、結域紬などがあります。
友禅訪問着
白地位相割付文
「実
り」
三越伊勢丹ホールディングス蔵
森口
邦彦
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友禅訪問着
白地位相割付文
「実
り」
三越伊勢丹ホールディングス蔵
森口
邦彦
重要無形文化財「友禅」(各個認定)保持者。京都府出身。
フランス留学で学んだグラフィック・デザインの思考と幾何学文様を大胆に組み合わせた作品を生み出す。
ARTIST PROFILE
1941 | 京都市に生まれる |
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1963 | 京都市立美術大学日本画科卒業、フランス政府給費留学生として渡仏 |
1966 | 国立パリ高等装飾美術学校卒業 |
1969 | 第16回日本伝統工芸展「NHK会長賞」受賞 |
1973 | 第20回日本伝統工芸展「朝日新聞社賞」受賞 |
1986 | 「森口邦彦 着物」展(スイス・ローザンヌ市立装飾美術館) |
1991 | 「森口邦彦 友禅着物」展(デンマーク工芸博物館、イギリス・アシュモリアン博物館) |
1994 | 「友禅の美 森口華弘・邦彦」展(大阪・京都大丸) |
2001 | 紫綬褒章受章 |
2007 | 重要無形文化財「友禅」保持者に認定 |
2009 | 「森口華弘・邦彦展-父子人間国宝―」(滋賀県立近代美術館) |
2013 | 旭日中綬章受賞 |
2020 | 「人間国宝 森口邦彦 友禅/デザイン-交差する自由へのまなざし」展(京都国立近代美術館) 文化功労者に選定 |
2021 | フランス共和国 レジオン・ドヌール勲章コマンドゥール章受賞 |
パブリックコレクション
文化庁 / 京都国立近代美術館 / 東京国立近代美術館 / 広島県立美術館 / 群馬県立近代美術館/ ローザンヌ市立装飾美術館(スイス)/ ヴィクトリア&アルバート博物館(イギリス) / ロサンゼルスカウンティ美術館(アメリカ) / メトロポリタン美術館(アメリカ) ほか
琉球紅型訪問着
「みなぁの歌(貝の歌)」
城間
栄市
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※新作を制作中、写真はイメージ
琉球紅型訪問着
「みなぁの歌(貝の歌)」
城間
栄市
沖縄県出身。
紅型
宗家・城間家の16代目。
古来の技法を踏まえつつ、海の生き物をモチーフにした文様を用いるなど表現スタイルは巧みで柔軟。
ARTIST PROFILE
1977 | 沖縄県に生まれる |
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2002 | 沖縄美術展覧会 染織部門「奨励賞」受賞 |
2003 | インドネシア・ジョグジャカルタ特別州にて2年間バティックを学ぶ |
2011 | 第64回西部伝統工芸展「福岡市長賞」受賞 |
2014 | 第62回日本伝統工芸会「新人賞」受賞 |
2015 | 「城間家の仕事 三代継承展」(沖縄県立博物館・美術館) |
2018 | 城間びんがた工房 代表継承 |
2022 | 城間栄順米寿記念「紅(いろ)の衣」展(沖縄県立博物館・美術館) 第22回岡田茂吉賞「大賞」受賞 |
漆芸は、木や竹、紙、布なとの器体に漆の木から採った樹液を塗り制作する技法です。漆の樹液に様々な発色する物質を混ぜることにより色漆となり器体の装飾に効果的に用いられます。また、装飾の一つとして貝殻を薄く加工して光る部分を用いた螺鈿の技法もあり ます。さらに金を器体に蒔く蒔絵の技法など多様な素材と技法の組合せで美しい作品を制作します。元々は 大陸から伝わった技法ですが、現在では日本にのみ古代からの技法が残っているといっても過言ではなく、世界から注目されています。
漆も陶芸や染練同様に素材や技法、産地や地域の名称で呼ばれています。例えば、蒔絵、螺鈿、髹漆、彫漆、蒟醤、沈金や輪島塗、津軽塗、山中塗、会津塗などがあります。
蒔絵
丸筥
「菊華」
室瀬
和美
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蒔絵
丸筥
「菊華」
室瀬
和美
重要無形文化財「蒔絵」(各個認定)保持者。東京都出身。
漆の地に細かな金粉で文様を描く技法「蒔絵」の第一人者。国内外に向けた漆芸文化の保存と魅力の発信も行う。
ARTIST PROFILE
1950 | 東京に生まれる |
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1976 | 東京藝術大学大学院 美術研究科 漆芸専攻修了(修了制作大学買上げ) |
1985 | 第2回日本伝統漆芸展「日本工芸会賞」受賞 第32回日本伝統工芸展「日本工芸会奨励賞」受賞 |
1996 | 国宝「梅蒔絵手箱」(静岡・三嶋大社蔵)復元模造制作(〜1998) |
2000 | 第47回日本伝統工芸展「東京都知事賞」受賞 |
2002 | 第49回日本伝統工芸展「日本工芸会奨励賞」受賞 |
2006 | 日本文化藝術振興賞受賞 |
2007 | 重文「朱漆花鳥七宝繋密陀絵沈金御供飯」(愛知・徳川美術館蔵)復元模造制作(~2012) |
2008 | 重要無形文化財「蒔絵」保持者に認定 紫綬褒章受章 |
2017 | MOA美術館正面入口 漆塗扉制作 |
2019 | MOA美術館特集陳列「人間国宝 室瀬和美の世界」 |
2020 | 「工藝2020-自然と美のかたち-」展 出品(東京国立博物館 表慶館) |
2021 | 旭日小綬章受章 |
パブリックコレクション
文化庁 / 東京藝術大学 / 国立工芸館 / MOA美術館 / メトロポリタン美術館(アメリカ)/ ヴィクトリア&アルバート博物館(イギリス) / 大英博物館(イギリス) ほか
蒔絵
螺鈿箱
「軌跡」
浅井
康宏
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© T.MINAMOTO
蒔絵
螺鈿箱
「軌跡」
浅井
康宏
鳥取県出身。
蒔絵や、光沢がある貝殻を研磨し文様の形に切り取って木地に貼り付ける装飾技法「螺鈿」を駆使し、
超絶技巧的な作品を生み出す。
ARTIST PROFILE
1983 | 鳥取県に生まれる |
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2004 | 国立高岡短期大学 産業造形学科 漆工芸コース卒業 |
2005 | 室瀬和美氏(重要無形文化財保持者)に師事 |
2007 | 漆芸作家として独立 |
2012 | 第59回日本伝統工芸展「新人賞」受賞 |
2015 | 第32回日本伝統漆芸展「文化庁長官賞」受賞 ニコライ・バーグマン×伝統工芸「伝統花伝」(シャングリ・ラ 東京) |
2021 | 第50回日本伝統工芸近畿展「京都新聞賞」受賞 「Japanese and Korean Art」出品(クリスティーズ・ニューヨーク) 「悉皆(shikkai)ー風の時代の継承者たちー」(髙島屋) |
2022 | 「幻視の小宇宙-現代漆藝家4人の燐光-」(銀座・和光) |
2023 | 「Japanese and Korean Art」出品(クリスティーズ・ニューヨーク) |
2024 | 第53回日本伝統工芸近畿展「日本伝統工芸近畿賞」受賞 |
パブリックコレクション
大英博物館(イギリス) ほか
金工は、金属工芸の略で金属を用いて様々な技を駆使して制作する技法で、大きく分けて鍛金、鋳金、彫金の3つがあります。
鍛金は、銅や金、銀などの金属を金槌や木槌で打って形を作り出す技法で金属の展延性や収縮性を匠に用います。鋳金は、作品原型から鋳型を作り、そこに溶かした金属を流し込んで成形する技法です。小さな文鎮から大きな銅像まで広くその技法は使われています。彫金は、金属を彫って表現する技法ですが、とくに象嵌と呼ばれる金属器体を彫ってそこに金や銀など別の金属を線状や面状に嵌め美しい表現を生み出します。
象嵌朧銀花器
「堰」
中川
衛
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象嵌朧銀花器
「堰」
中川
衛
重要無形文化財「彫金」(各個認定)保持者。
石川県出身。
金属の表面を鏨で彫り、金や銀を鎚で打って溝にはめ込む技法「象嵌」で、独自の模様を生み出す。
ARTIST PROFILE
1947 | 石川県に生まれる |
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1971 | 金沢美術工芸大学 産業美術学科卒業 |
1974 | 加賀象嵌の高橋介州先生に師事する |
1988 | 第35回日本伝統工芸展「朝日新聞社賞」受賞 |
1995 | 日本の工芸「現代と伝統」展(ヴィクトリア&アルバート博物館、イギリス) |
1996 | 第43回日本伝統工芸展「日本工芸会奨励賞」受賞 |
1999 | 「日本の工芸<今>100選」展(パリ三越、フランス) |
2000 | 第30回日本伝統工芸金工展「文化庁長官賞」受賞 |
2002 | MOA美術館 第13回岡田茂吉工芸部門「大賞」受賞 |
2004 | 重要無形文化財「彫金」の保持者(人間国宝)に認定 現代の「日本の金工」展 出品(デンマーク王立工芸博物館) |
2009 | 紫綬褒章受章 |
2012 | 台湾黄金博物館で個展開催(台湾) |
2015 | アジア・アートフェアに出品(ニューヨーク) |
2018 | 瑞宝中綬章 受章 |
パブリックコレクション
文化庁 / 金沢21世紀美術館 / 石川県立美術館 / メトロポリタン美術館(アメリカ) / 大英博物館(イギリス) ほか
鍛黄銅接合せ
銀容
れ物
「月夜の浜辺 アオイガイ」
植田
千香子
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鍛黄銅接合せ
銀容
れ物
「月夜の浜辺 アオイガイ」
植田
千香子
京都府出身。
金属を鎚でたたき延ばしたり曲げたりして成形する技法「鍛金」で、
海洋生物など身近なモチーフを巧みに表現する。
ARTIST PROFILE
1981 | 京都に生まれる |
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2002 | 父親である植田参稔氏の元で金工を始める |
2003 | 京都府陝西省交流芸術展出品 |
2004 | 京の若手職人海外派遣事業に参加 |
2008 | 第37回日本伝統工芸近畿展「大阪府教育委員会賞」受賞 |
2009 | 第23回日本煎茶工芸展「日本煎茶工芸協会賞」受賞 |
2014 | 第43回日本伝統工芸近畿展「滋賀県教育委員会教育長賞」受賞 |
2015 | 第44回伝統工芸日本金工展「朝日新聞社賞」受賞 |
2022 | 第3回ティー・エレメント公募展「大賞」受賞 |
2023 | 第70回日本伝統工芸展「日本工芸会新人賞」受賞 |
パブリックコレクション
スミソニアン協会国立アジア美術館(アメリカ) ほか
木竹工は、木工芸と竹工芸を合わせた言葉でその範囲は広いです。木工芸には大きく4つの技法があり、板を組み合わせて箱や机などを作る指物、鑿や鉋などで木を削ったり刳ったりしてお盆や箱を作る刳物、木材を轆轤にかけ刃を用いて成形する挽物、薄い板を熱湯で処理し、木繊維を柔らかくして成形し円筒等を造る方法と、薄い板に鋸を入れて切断することなくごく薄い繊維を残し角度をつけて曲げる曲物があります。
竹工芸は、充分に乾燥させた竹を油抜きして表皮を削ったり割ったり剥いだりして編組や組物により制作します。その技法は多様で、いくつもの技法を組合わせて美しい造形を作り出します。竹も真竹、黒竹、虎斑竹、ゴマ竹など日本国内でも600種類ありその中から作品に合わせて使われます。
桐造短冊箱
「桐華瑞雲」
須田
賢司
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桐造短冊箱
「桐華瑞雲」
須田
賢司
重要無形文化財「木工芸」(各個認定)保持者。東京都出身。
木材に精密に凹凸を刻んで組み合わせる木工技術「指物」の第一人者。
ARTIST PROFILE
1954 | 東京都に生まれる |
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1973 | 東京都立工芸高等学校卒業 以後、父・桑翠に木工芸を、外祖父・山口春哉に漆芸を学ぶ |
1985 | 第2回伝統工芸木竹展「文化庁長官賞」受賞 |
1992 | 第5回伝統工芸木竹展「優秀賞(朝日新聞社賞)」受賞 工房を群馬県甘楽町に移転 |
1994 | 第41回日本伝統工芸展「奨励賞」受賞 |
1995 | イタリア・クレモナ市にて木工家具修復技術を修得 |
2006 | 第53回日本伝統工芸展「優秀賞(朝日新聞社賞)」受賞 「木の邦に生まれて―木工藝 須田賢司の仕事」vol.1展(東京・日本橋三越) ※2014年にvol.2展 |
2008 | 第55回日本伝統工芸展「特待者、日本工芸会保持者賞」受賞 |
2009 | 文化庁より平成20年度文化交流使に指名され、ニュージーランドで活動 |
2010 | 紫綬褒章受章 |
2014 | 重要無形文化財「木工芸」保持者に認定 |
2015 | 「清雅を標に―須田賢司木工藝」展(東京・日本橋三越) |
2016 | 「清雅を標に―人間国宝 須田賢司の木工藝」展(兵庫・竹中大工道具館) |
2019 | 「木工藝 清雅を標に:須田賢司の仕事」展(東京・ギャラリーエークワッド) |
パブリックコレクション
東京国立近代美術館 / 北海道立旭川美術館 / 熊本伝統工芸館/ MOA美術館 / 大英博物館(イギリス) ほか
五大虚空
四代
田辺
竹雲斎
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photo by Tadayuki Minamoto
五大虚空
四代
田辺
竹雲斎
大阪府出身。
伝統技法を用いた作品から、材料の竹ひごを繰り返し使う循環型の大型インスタレーション作品まで、
幅広い表現で国際的に活躍。
ARTIST PROFILE
1973 | 大阪府堺市に三代田辺竹雲斎の次男として生まれる |
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1999 | 東京藝術大学 美術学部 彫刻科卒業 |
2000 | 大分県竹工芸訓練支援センターで2年間竹の研修を受ける |
2006 | 田辺小竹を襲名 |
2012 | 内閣官房国家戦略室より「世界で活躍し『日本』を発信する日本人プロジェクト」にて選出、表彰 |
2015 | 第26回 「タカシマヤ美術賞」受賞(タカシマヤ文化基金) |
2016 | 「竹のインスタレーション 五大」(フランス国立ギメ東洋美術館、パリ) |
2017 | 四代田辺竹雲斎を襲名 「Japanese Bamboo Art : The Abbey Collection」でインスタレーション制作(メトロポリタン美術館、ニューヨーク) |
2019 | オドゥンパザル近代美術館開館記念展にてインスタレーション制作(エスキシェヒル、トルコ) |
2021 | 「四代田辺竹雲斎 守破離」アートフェア東京(東京国際フォーラム) |
2022 | 「Gucci Namiki 1st Anniversary」にて個展、インスタレーション制作(グッチ並木、東京) Casa Loewe Barcelonaにてインスタレーション制作(ロエベバルセロナ、スペイン) 第72回「芸術選奨美術部門 文部科学大臣新人賞」受賞 令和3年度 大阪府「大阪文化賞」受賞 |
パブリックコレクション
宮内庁 / 岐阜県美術館 / メトロポリタン美術館(アメリカ) / フィラデルフィア美術館(アメリカ) / シアトルアジア美術館(アメリカ) / ボストン美術館(アメリカ) / サンフランシスコアジア美術館(アメリカ) / 大英博物館(イギリス) / ヴィクトリア&アルバート美術館(イギリス) / フランス国立ギメ東洋美術館(フランス) / ケ・ブランリ美術館(フランス) ほか
栃造四脚抽斗
五十嵐
誠
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栃造四脚抽斗
五十嵐
誠
東京都出身。
指物技法を用いて、現代のライフスタイルに寄り添ったシンプルなデザインの作品を生み出す。
ARTIST PROFILE
1978 | 東京都に生まれる |
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2000 | 京都伝統工芸専門学校(現:京都伝統工芸大学校)卒業 「工房今昔堂」を始める |
2010 | 第6回「全国木のクラフトコンペ」特別賞 |
2014 | 「アトリエノート」にて初個展(東京都福生市) |
2015 | 「生涯学習センターゆとろぎ」にて個展(東京都羽村市) |
2018 | 東京国立博物館 被災美術工芸修理委託事業 : 陸前高田市指定文化財 金銅装双塔文笈修理事業 木工部復元を渡辺晃男先生と共に担当(〜2021) |
2019 | 「工房今昔堂展 暮らしの中の指物」工房展(博多阪急) |
2020 | 「須田賢司と5人の作家展」(東京・日本橋三越本店) |
2021 | 第68回日本伝統工芸展「新人賞」受賞 「五十嵐誠 木工芸展」(東京・三越日本橋本店) |
2022 | 文化庁主催『深める・拡げる-拡張する伝統工芸展』出品 |
人形は、土偶や埴輪を含めれば多種多様なものが制作され存在しています。本展覧会では昭和初期に起こった人形芸術運動以降の高い芸術性を求めた人形を対象にしています。昭和11(1936)年の改組第1回帝展に人形が初入選して以後、人形の高い芸術性が認められました。
素材や技法も様々で、桐材や朴材、楠材なとを用いた木彫による制作や、桐塑(桐粉を糊で練った物)で肉付けする制作、土を焼成して作る陶体の技法などがあります。いずれも木目込、紙貼り、彩色、胡粉仕上げ、 衣装などの装飾により美しい作品を作り出しています。
また、人形も陶芸や染織と同様に産地や地域の名所でも呼ばれ御所人形、博多人形、京人形、駿河雛人形などの他、五月人形や雛人形、市松人形と呼ばれるものもあります。
木芯桐塑布紙貼
「天空の村」
秋山
信子
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木芯桐塑布紙貼
「天空の村」
秋山
信子
重要無形文化財「衣裳人形」(各個認定)保持者。
木彫や桐塑の素地に、衣裳を仕立てて着せ付け、木目込、胡粉、彩色などで仕上げを行う。
ARTIST PROFILE
1928 | 大阪府大阪市に生まれる |
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1955 | 大林蘇乃に師事 後に彫刻家・伊藤鉄崖、日本画家・生田花朝女、漆芸家・武石勇に師事 |
1980 | 高島屋大阪店にて初個展 |
1981 | 韓国光州市・全日美術館において張恩禎女史と「人形・書芸」二人展 |
1982 | 大阪府工芸功労知事表彰 |
1990 | 紫綬褒章受章 |
1996 | 重要無形文化財「衣裳人形」保持者に認定 河内長野市長表彰 |
1997 | 高島屋大阪店にて第2回個展 |
1998 | 勲四等宝冠章受章 大阪市民表彰 |
2001 | 高島屋大阪店にて第3回個展 大阪府立弥生文化博物館冬季展示企画「人間国宝・秋山信子人形展~やすらぎにつつまれて~」 |
2008 | 高島屋大阪店にて第4回個展 沖縄県裏添市美術館「沖縄タイムス創刊60周年記念 人間国宝 この道を行く-来た道、行く道-秋山信子人形展」 |
パブリックコレクション
東京国立近代美術館 / 神宮美術館 ほか
ドリームキャッチャー
中村
弘峰
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ドリームキャッチャー
中村
弘峰
福岡県出身。
博多人形師・中村家の4代目。
伝統的な技法を用いながらも、アスリートをモデルにした五月人形など独創的な作品を生み出す。
ARTIST PROFILE
1986 | 福岡県福岡市に生まれる |
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2009 | 東京芸術大学 美術学部 彫刻科卒業 |
2011 | 東京芸術大学大学院 美術研究科 彫刻専攻修了 |
2011 | 人形師で父の中村信喬に師事 福岡県太宰府天満宮干支置物制作 博多祇園山笠土居流 舁山制作 |
2013 | 第60回日本伝統工芸展「新人賞」受賞 |
2014 | 「MOA岡田茂吉賞新人賞部門」招待出品(静岡・MOA美術館) |
2016 | 第3回金沢・世界工芸トリエンナーレ コンペティション部門「優秀賞」受賞 |
2017 | 伝統工芸創作人形展in金沢「中村記念美術館賞」受賞 |
2018 | 「MVP(Most Valuable Prayers)」展(東京・日本橋髙島屋) |
2023 | 第70回日本伝統工芸展「朝日新聞賞」受賞 |
パブリックコレクション
住吉神社(福岡) / 福岡大名ガーデンシティ ほか
諸工芸は、伝統工芸のなかでも陶芸、染織、漆芸、金工、木竹工、人形以外の分野になります。その範囲は多岐 に渡り七宝、硝子、砡、硯、截金、象牙、和紙(屏風/墨流し)、木画などが含まれます。また分野によっては古墳からの出土物や正倉院宝物として今日に伝世されるものがあり、何れも長い歴史と伝統があります。
今回は諸工芸の中で截金ガラスの作品が出品されているため、截金について説明します。
截金は平安朝以来の長い伝統をもつ技術で、正倉院宝物にも見られます。日本では、主に仏画や仏像や桐の箱の上に施されており、1ミクロン (1000分の1ミリ) 以下の厚みの金、銀の箔を極細の線や矩形などに切ってそれを接着剤で貼り付けて模様を施します。出品作 品は、繊細な技術を要する截金を、ガラスに内包させ永遠に定着させています。
截金硝子器
「 雪降り積みて」
山本
茜
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截金硝子器
「 雪降り積みて」
山本
茜
石川県出身。
透明なガラスの中に截金を封じ込める独自技法「截金ガラス」で、
『源氏物語』などをテーマに優れた作品を生み出し、国際的に活躍する。
ARTIST PROFILE
1977 | 石川県金沢市に生まれる |
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1999 | 独学で截金を始める |
2000 | 重要無形文化財「截金」保持者、江里佐代子氏より伝統的截金技法を教わる |
2001 | 京都市立芸術大学美術学部美術科日本画(模写・水墨画)専攻卒業 |
2011 | 富山ガラス造形研究所造形科卒業 京都市に個人工房設立 |
2014 | 第61回日本伝統工芸展「NHK会長賞」受賞 |
2016 | 個展「截金ガラス展−斎王の旅−」髙島屋日本橋店美術画廊 |
2019 | 第21回岡田茂吉賞展「現代日本工芸の最前線」(MOA美術館) |
2020 | 「和巧絶佳展」−令和時代の超工芸−(パナソニック汐留美術館ほか) |
2021 | 「山本茜展−截金ガラス創造10年の軌跡−」そごう横浜店美術画廊・高輪会 第33回京都美術文化賞受賞記念展(京都文化博物館) 富山ガラス造形研究所 創立30周年展 未来へのかたち(富山市ガラス美術館) Contemporary Women Artists of Japan: Six Stories(大英博物館) |
パブリックコレクション
宮内庁 / 富山市ガラス美術館 / 株式会社ミキモト / 西日本旅客鉄道株式会社 / 大英博物館(イギリス) ほか
ACCESS
旧近衛師団司令部庁舎
東京都千代田区北の丸公園1-1
- 東京メトロ東西線「竹橋駅」1a、1b出口より徒歩10分
- 東京メトロ東西線・半蔵門線・都営新宿線「九段下駅」2番出口より徒歩11分
- 半蔵門線・都営新宿線・三田線「神保町駅」A1出口より徒歩16分
施設には駐車場はありません。周辺にある有料駐車場をご利用ください。